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低GI米を開発した背景
開発する際に苦労したことなどサラヤ株式会社 バイオケミカル研究所村田博士と小川研究員の2人のインタビューを通してご紹介します。
サラヤ株式会社 バイオケミカル研究所 村田博士
A 村田博士
サラヤでは約20年前に、"感染予防"のための洗浄剤(衛生製品)に加えて、予防という観点から"生活習慣予防"に関わる食品開発にも着手しました。
なかでも"糖尿病・肥満症予防"に特化して開発研究を開始しました。
糖尿病の予防を目的とする食品はさまざまありますが、まずは植物由来のゼロカロリー甘味料「ラカントS」を開発し、販売したところ、全国の糖尿病・肥満症の方にご愛用されるようになりました。
さらに難しいとされていた「ラカントS」を用いたカロリーゼロ飴の開発にも成功しました。
ラカントSは"調味料"として幅広く食事に取り入れることができ、飴も"お菓子"として手軽に食べられるものです。
しかしながら、本来の目的は糖尿病の予防としての"主食"開発、すなわち日本人の主食であり、欠かすことのできない「米飯(ごはん)」の開発が必須だと考えました。
その理由は、脂質やタンパク質の摂取に比べて炭水化物の摂取が急激に血糖値を上昇させるからです。特に糖尿病患者の食事管理としては、カロリー摂取、栄養素バランスだけでなく、食後血糖値の管理が注目されてきています。
残念ながら現在、食後の血糖値上昇が抑制できる米飯は世に存在しません。
今回、研究を重ねた結果、食後血糖値が通常の炊飯米に比べて上がりにくい炊飯米(低GI米)の開発に成功しました。
A 小川研究員
お米と大麦の品種を選ぶことです。
現在さまざまな種類の雑穀などが見られますが、ごはんに混ぜてGIを測ってみても、低GIにはなりません。
そこで、いろいろ調査した結果、お米の中にも通常のお米よりもGIが低い"高アミロース品種"が存在すること、一般的に低GI食材とされる"大麦"にも非常に多くの品種があることがわかり、さまざまな品種のお米、大麦のGIを測定して、「もっともGIの低い品種のお米、大麦」を選びました。
A 小川研究員
やはり、GI値の測定です。
食後血糖値は非常に個人差がありますので、多くの人に実際に測定していただく必要がありました。
「おいしくごはん」の開発にあたっては、10名の方に被験者になっていただき、多くの品種のお米、大麦、また低GIとなる組み合わせで測定しなければならなかったため、非常に苦労しました。
A 小川研究員
低GIで、カロリーも通常のごはんの約35 %カットになっていますので、食後血糖コントロールが必要な方、特にごはんの量を制限している方にお勧めします。
低GI食品については、WHOから「低GI食品が肥満、過体重、糖尿病発症のリスクを低減する可能性がある」、また国際糖尿病連合から発表された食後血糖値管理に関するガイドラインにおいても、「糖負荷の低い食事は食後血糖値管理に有益である」とされています。
したがって、低GI食品の利用は、現在急増しつつある肥満やメタボリックシンドロームの予防・改善の観点からも非常に有効であるといえます。
(病態栄養 第13回日本病態栄養学会年次学術集会)
(第32回日本臨床栄養学会総会、第31回日本臨床栄養協会総会、第8回大連合大会)